テルジーの冒険

テルジーの冒険 (新潮文庫)

  •  ジェイムズ・H・ シュミッツ
  • 販売元/出版社 新潮社
  • 発売日 1988-12

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青心社SFシリーズ、そして新潮文庫と二度にわたって出版されたのに後が続かなかったのはやはり、表紙の絵の問題だったんじゃないかと思ってしまう。そもそも新潮文庫で出すことになった時、『惑星カレスの魔女』の時と同じく宮崎駿に表紙を頼んでいたら、その次あたりまでは出たんじゃないかと思うのだ。
とはいえど、『テルジーの冒険』が『惑星カレスの魔女』と同程度に面白い作品なのかといえば、うーむ、と考え込んでしまうわけで、まあシュミッツは『惑星カレスの魔女』だけ読んでおけばとりあえずオッケーという部分も無きにしもあらずといったところだ。
というのはあくまで一般向けの感想であって、『惑星カレスの魔女』は長編で『テルジーの冒険』は連作短編なわけだから同一レベルで比較するのはちょっと間違っているし、そもそも『テルジーの冒険』は本編が始まったというよりもプロローグが終わったというレベルではないか、続きを読ませろという気持ちの方が大きい。
しかしおそらくは今後、もうシュミッツの作品が翻訳されることなどないだろうから、シュミッツなど忘れて、他の作品を読み続けるのが利口な生き方なのかも知れない。……なんてことができたらいいのだが。

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