- 著 一柳 凪
ヤス - 販売元/出版社 小学館
- 発売日 2008-05-21
前巻を読んだときには一抹の不安を感じたものだから今回はおそるおそる読み始めたのだが、まあそれほど大きく変化したわけではないけれども、何となくこの人の持ち味っぽい物が現れ始めたような感じがする。
とはいっても、奇抜な感性の持ち主やら奇抜な名前の持ち主、「山査子」などという名前の少女が登場した時には目眩がしそうになったのだけれども、まあそのあたりというかその程度で目眩がするのではライトノベルを読む資格はないだろうなと思い直して、奇抜な設定の部分は深く考えずさらりと読み飛ばすようにしていたら最後で驚いた。
木の葉は森に隠せとブラウン神父は言った、さらにはパンが無ければケーキをお食べ、いや、木の葉を隠す森がなければ森を作ればいいのさというわけで、奇妙すぎる真相は奇妙すぎる設定の山に隠してしまえばいいのであり、奇妙な設定がなければ作り出せばいい。
というわけで、あまりにも奇抜すぎる設定の中にそんな真相が隠されていたとは思わなかった。いや、終盤になって本格ミステリといっても構わないようなトリックが仕組まれていたとは……。
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