全てを呪う詩―屍竜戦記2

著　片理誠
販売元／出版社　徳間書店
発売日　2008-07

前作のあのラストの反則すれすれというか豪快なうっちゃりからどう繋げるのかと思ってワクワクしていたら、あれはあれ、これはこれという話だった。
前作のアレはあくまで前作の主人公のみ知り得た世界の秘密であって、他の人間はまだ知り得ていないということで、時系列的には前作の終盤付近から始まるのだけれども、主人公は全く別の人間。
というわけで意表をつかれた感じで物語は始まったけれども、まあ読者に対しては世界の秘密は公開されたが世界の混乱と人間達の愚かな行為は続いているわけで今回も竜との戦いよりも権謀術数の方に重きがおかれていて、やっぱり殺人事件がおきて犯人は誰かという謎が登場する。もっとも、前作のラストで明かされた世界の秘密を知った後では竜との戦いが主眼になってしまったのではつまらないので止む終えないことなんだけれども、今回は権謀術数に終始で終わってしまったのでそのあたりがちょっと不満。是非とも三作目を出して欲しいところだ。
不満といえば、まあ不満というよりも気になったという方が近いのだけれども、前作では「屍霊術」だったのが「死霊術」に変わっていたのが気になるところ。