シャレのち曇り

シャレのち曇り (ランダムハウス講談社文庫 た) (ランダムハウス講談社文庫 た 5-1)

  •  立川 談四楼
  • 販売元/出版社 ランダムハウス講談社
  • 発売日 2008-07-10

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ファイティング寿限無』が面白かった立川談四楼のデビュー作。
これが初めての小説というだけあって、さすがに『ファイティング寿限無』ほどこなれていない。まあまだ小説を書くというよりも物語をしゃべっているという部分が大きくて、作者がこの物語を語っている情景を想像しながら読むと丁度よくなるのだが、そんな読み方をしっぱなしというのはちょっと疲れる読み方でもある。
長谷邦夫の『マンガ編集者狂笑録』と同様、実話を元にした小説なのだけれども、そのあたりはあまり気にしなくってもするすると読むことが出来るのはさすが噺家だなあと思った。立川談志は好きな落語家で落語協会脱会を脱会したのは知っているけれども、何が原因であったのかまでは知らなかったので、そのあたりの顛末がなかなか興味深かった。
しかし、そういう内幕の部分はさておき、主人公のはかない恋の顛末や、友達と思っていた人間が自分に対してライバル意識を持っていたことを知る部分など、普通に物語として面白く、ああ、やっぱり最初からこの人はそういった部分がうまかったのだと実感した。

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