蓬莱洞の研究

蓬莱洞の研究 (講談社文庫)

  •  田中 啓文
  • 販売元/出版社 講談社
  • 発売日 2008-11-14

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グロさの炸裂する『禍記』も良かったけれども駄洒落も欲しいよねと思ったらタイミング良く文庫化されたのがこれ。
伝奇物であり学園物であり青春もちょっと入っていてしかしやっぱり壮絶な駄洒落がなによりも素晴らしい。
民俗学ってのはつまるところ駄洒落によるこじつけなんじゃないかって思わされるぐらいいろいろな物が駄洒落で解決されていく。
最高に笑ったのは「黒洞の研究」で登場するイタリア人カルヴィーノさんの話だ。
カルヴィーノとくれば真っ先に思いつくのがイタロ・カルヴィーノなんだけれども、これに引っかけた駄洒落がもちろん登場して、なるほどこれがやりたかったからこんな名前にしたのだなと思っていたら愕然とした。最後になってもう一つ大物の駄洒落が待ちかまえていたのである。
まあ確かにまともな民俗学ミステリを期待するとがっかりするというか噴飯物なのだが、ここまで駄洒落をやってくれると許したくなるし、もっとやれと言いたくなる。
物語全体を通しての大きな謎も存在するし、駄洒落以外の部分ではそれほどアクが強くないので読みやすいので続きが楽しみである。

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