- 著 桜庭 一樹
- 販売元/出版社 講談社
- 発売日 2008-11-21
そろそろ桜庭一樹ともちょっと距離を置いた方がいいのかもしれない。
前作は興味の無い話だったのに読み始めると桜庭一樹の世界に引きずり込まれてしまったのだが、今回はあまり引きずり込まれなかった。
うーん、なんだろう。前半の第一部では犯罪があってそして主人公達は逃げている。前作と同じじゃねえかという気持ちが押さえきれないのだ。
そして後半の第二部になると、ああ、これは何処までフィクションで何処までがノンフィクションなのだろうかとい疑問符が渦巻いて仕方がない。
今までも自分自身をさらけ出していた部分はあるのかも知れないけれども、それでもあからさまではなく、いや単に私自身が気がつかなかっただけなのかも知れないけれども、悲壮感というか切迫したものはあくまで作者とは切り離されていたのだが、今回はどうにもこうにも作品の向こう側にいる作者の存在が見えすぎている。
もっとも、そこまで感じ取るのは行きすぎで、そんなことなど考えずに読むのが正しい読み方なのかも知れないが、無理だった。
そういう意味ではオビに書かれているように「恐るべき」作品だったのである。傑作かどうかは別として。
コメント
「ファミリー・ポートレート」ページは増量、物語の深みは感じら…
「ファミリー・ポートレート」★★★凡作
桜庭一樹著、517ページ、1785円
手に持った時の厚みがいい、
まだ中を全く見て無いが、
その重さの分だけ期待させてくれる。
ひとりの少女とその母の物語だ。
出だしは次に何が起こるか、
少女は何を感じているのか、
物語りに引き込まれ
読み進めた。
ところが、
母親と離れてからは
別の物語のようになってしまい、
勢いというか、
スピード感はあるけど、
すべて軽薄な印象で
話にノレなかった。
主人公が直木賞をとったあたりは
自分の事も重ね合わせているかもしれないが、
ファンタジーの領域には到達せず、
かといって主人公の心の内を
この本の厚さをもってしても
表面をなぞっているくらいにしか
感じられず、ラスト近くには
読み飛ばすように終わらせたくて
しかたなかった。
あの手の重さを幸せに感じた気分は
どこかへ行ってしまい、
暴徒の面白そうな何かの予感も
それが何だったのか思い出せない。
直木賞受賞作「私の男」では
確かに感じた心の奥を揺さぶるようなものが、
この作品では全く感じられなかった。
残念。
色々な傾向の作品をどんどん書いているようなので、
次に期待したい。
★100点満点で55点★
好きになれない作品だった。
soramove
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たぶん書くスピードは物凄いのだろうな、
その勢いは感じられる。
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