- 著 小林 めぐみ
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 2008-11-10
予想外に分厚くて驚いたのだけれども、そもそも過去にはシリーズ物をいくつも書いているのだから、このくらいの厚さになっても不思議ではない。
男女の生まれる比率が9:1と男の方が異常に多い世界が舞台。読んではいないけれどもウェン・スペンサーの作品とは正反対の設定だ。
しかし多い方が優位なのかといえば全然そうではなく、作者が女性だからということはちょっとは関係するかも知れないけれども、どっちの設定であっても男の方が虐げられているというのは興味深い。
しゃべる「うなぎ」が登場したり、ヒロインと主人公の二人の関係やら、中年刑事の恋やら、どこかいびつなのである。
そもそもキーパーソンとなるのが「うなぎ」だ。作中でも何故「うなぎ」なのかというつっこみが入るけれども、なし崩し的に「うなぎ」になってしまっている。
もっともハードSFではないので別に「うなぎ」でも構わないのだけれども、しかしなあという思いでいっぱいだ。
とりあえず、世界の秘密や物語の決着の付け方に不満はないのでまあ良しとしようではないか。
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