- 著 牧野 修
- 販売元/出版社 講談社
- 発売日 2008-11-14
あとがきで、作者自らがこの話は傑作じゃないかと思っていると書いてあるのだが、そういわれるとなんとなく傑作なんじゃないかと思えてくる気が少しはするけれども、しかし、今回は男性が悪という立場で描かれているのでなんとなく居座りが悪い。
とそんな風に居座りが悪く感じられるのは、そんなに男を悪く書かなくってもいいんじゃないかと思ってしまうからであり、作中で描かれているタイプの男とは違い自分自身は善良な人間だからという風に考えると少しは気分がいいのだが、では逆に作中の男と同じような悪人だったとしたら、自分と同じタイプの人間が徹底的にぶちのめされる話なんかを読んだらさぞかし気分が悪くなるだろう。
そういうわけで、どちらにしても男である以上は居座りが悪い話に違いないのだが、まあそんなことはどうでもよく、エログロバイオレンスでありながら、エロさもグロさもバイオレンスも、どこかあっさりとしているので過剰な嫌悪感を抱かなくても済む。
そういう点では、傑作かどうかは別として素材の組み立て方と扱い方がうまいよなあ。
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