- 著 クレイトン・ロースン他
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 2008-12-10
37編から14編と元本からだいぶ削られてしまったし、『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』に収録されていて入手困難でないのに「女か虎か」や「最後で最高の密室」が収録されていたり、若干不満な点はあるものの、まあ版権の問題とかいろいろあるだろうから、そのあたりは文句を言うのはよそう。
小泉喜美子が絶賛し、この作品がなかったならばおそらくはあの作品は書かれなかったかも知れないブレット・ハリデイの「処刑前夜」とジョン・D.マクドナルドの「懐郷病のビュイック」が念願かなって読むことが出来ただけでもう満足なのだ。
「懐郷病のビュイック」は長い間僕のバイブルだった石川喬司の『SF・ミステリおもろ大百科』で紹介されていて、しかもネタバレまでされていながらも、いつの日か読んでみたいと思い続けていた話だった。
良くできたミステリはネタバレされて結末が判っていても面白いといわれることがあるけれども、初読時のインパクトを重視する僕にとってはその言葉は嘘だ。
ようやく読むことが出来たという安堵と、感慨深い気持ちもあるけれども……。
ネタバレして紹介しやがって石川喬司め。
という気持ちもちょっぴり生まれた。
しかし、まあそれはそれとして、「懐郷病のビュイック」って題名はすばらしいよなあ。
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