TAP

TAP (奇想コレクション) (奇想コレクション)

  •  グレッグ イーガン
  • 販売元/出版社 河出書房新社
  • 発売日 2008-12-02

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奇想コレクションの一冊としてイーガンの短編集が出るのはちょっと無謀なんじゃないかとも思ったのだけれども、杞憂だった。
前短編集の『ひとりっ子』がテーマ的な偏りが大きすぎてちょっと不満だったけれども、今回はテーマ的にもバランス良く安心して読むことが出来たのだ。
もっとも、ついてこれる者だけついてこいというような全速力のイーガンではないので、突き抜けたいわば足元が崩れ落ちてしまうような衝撃はあまり無い。
イーガンに慣れてしまった身としては、そこで終わってしまうのか、というような話が多く、まあ物足りないといえば物足りないんだけれども、しかし、こういうイーガンもいいよねと思ったりもする。
しかし、密室殺人を扱った表題作に関しては、不可能犯罪をイーガンがどのように解決させるのかという方にだけ興味を持って読んでしまったので既視感ありまくりな結末にがっくり。むしろ「銀炎」のほうが楽しめました。
うーん、とんでもな人に対する接点の無さという物に対してイーガンも同じようなことを考えていたんだなあと思うと何ともいえない気持ちになります。

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