本格ミステリ・フラッシュバック

訳　千街晶之
著　
販売元／出版社　東京創元社
発売日　2008-12

インターネットなど無かった時代、地方に住む身としては見知らぬ一冊の本と出合うためにはガイドブックが唯一の頼りだった。
しかし、ガイドブック頼りで次々と新しい本に出合い、そしてインターネットで情報を手に入れることが出来るようになった今、かつてはあれほど頼りになり、バイブルでもあったガイドブックにはもうときめかなくなってしまった。
そしてガイドブックを見かけるたびに手に取り、パラパラと中身を見てときめかなくなってしまったことにがっかりするのだ。
しかし、この本は違った。
おそらくは未読の本が多数あったせいも多分にあるのだろうけれども、しかし、対象をある特定の年代にしぼった結果、単なるガイドブックだけではない何かが付加されたせいなのかもしれない。
読んでいてワクワクするし、未読の本だった場合、読んでみたいという欲望にかられるのだ。
もっとも、実際に読んで見た場合に本当に面白いのかどうなのかは微妙なところなのかも知れないけれども、うーん、それでもこの本を片手に未知なる世界へと足を踏み出していこうという気にさせられる。