機巧館(からくりやかた)のかぞえ唄

機巧館(からくりやかた)のかぞえ唄―名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社文庫)

  •  はやみね かおる
  • 販売元/出版社 講談社
  • 発売日 2009-01-15

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子供向けの作品でありながらこんな話にしてしまうってのが凄いのだけれども、まあシリーズ物だがら許されるわけで、単発物だったならばやはり難しいだろうなあ。
本格ミステリでそして日常系ではない謎、そして何よりも殺人事件が起こらないという特色のあるこのシリーズなのだけれども、ここに来てとうとう殺人事件が起こる。といってもそこはやはりそれなりの手順を踏んでいるのでうまいこと処理されている。
しかし、作者の中に溜まっていたどす黒い物が一気に噴出したともいえないわけではなく、この期に乗じてやりたくてもやれなかったことをやってしまったという感じだよなあこれは。
いつもなら前菜的な物語とメインディッシュの物語という二本立てだったのに対して今回は三本立て。さすがにメインの物語のあのラストのままで本を終わらせてしまうのは厳しいと思ったのだろう。
そのせいで、子供にとってはこれでいいのかも知れないけれども、すり切れた大人にとってみると余計な話に感じられてしまうわけで、第一部、第三部、そして第二部と読むのがベストかな。

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