- 著 グレゴリイ ベンフォード
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 1986-03
SFを読むならアルファベット順という話があって、Aがアシモフ、Bがブラッドベリとなるわけなんだけれども、それと似たような話に三人のBというのがある。ブリン、ベア、ベンフォードだ。
アシモフの<ファウンデーション>シリーズの続編をこの三人が書いたときにちょっとだけ話題になった話なので知らない人が大半だろうけれども、というか、ブリン以外は翻訳されなくなって久しいから存在そのものさえ忘れ去られてしまっているのかも知れない。
かく言う自分だって、ベアはよく読んだけれども、ベンフォードはほとんど読んでいない。というかブリンもろくに読んでいない。
まあブリンはさておき、ベンフォードの小説は題名だけはやたらとかっこいいのだが、どういうわけか読まないまま今に至っている。
しかし、題名だけはかっこいいのでいつか読もうと思い続けていたら、最近になってようやく『夜の大海の中で』を読む気力が湧いてきた。
で、読んでみると地味な話だった。というか、ファーストコンタクトが一杯な話だ。
小惑星イカルスが地球に衝突するということで、事前に爆破してしまおうとイカロスにたどり着いて調査し始めると、実は異星人の宇宙船だたということが判明するところから物語は始まるのだけれども、さてそこからどうなるかというといきなり15年も月日が経過してしまう。
で、今度は木星から火星、そして金星へと向かう飛行物体を発見する。そしてこの飛行物体とコンタクトを取ろうとする。それでもってなんやかんやがあって、なんとなくコンタクトは取ることができたけれども、この飛行物体には異星人は乗っていなく、異星人が射出した人口知性搭載の宇宙船だったことがわかる。そして今度は月面で近づくものを片っ端から攻撃する謎の宇宙船が発見されたりする。
いったいどれだけファーストコンタクトが起これば気が済むのだといいたくもなるのだけれども、この本だけでは全ては解決しない。複数の局面の序盤だけが次々と語られてそして幕が閉じてしまうのだ。
ああ、続きが気になるではないか。
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