- 著 ジャック・フィニイ
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 1980-09
うーん、いかにもジャック・フィニィらしい話だったのだけれども、どうにもこうにも読み方が悪かったのかそれとも、自分自身が小市民になりはててしまったのか、あまり楽しめなかった。
ジャック・フィニィの他のミステリとは違って、主人公達は何かを盗むといったあからさまな犯罪行為は行わない。題名通り、主人公達男女四人の夜の冒険に対する物語なのだが、深夜の徘徊からはじまって、高速道路で寝そべったりと次第に行為がエスカレートしていく。
まあそこまではいいのだけれども、マリファナを吸ってそのあげくに自分たちのヌード写真を撮り、その写真に目線を入れて大きく引き延ばし、それを図書館のとある本の中に隠すのである。そして他の三人に、自分の写真を見られたくなかったら、深夜の図書館に忍び込んで取り返してこいという始末である。
他の三人は、図書館に忍び込んで写真を取り戻すことに成功するのだが、警察官に見つかり追われながらもかろうじて逃げることに成功する。
警察に捕まって一晩留置場で反省でもしてみたらどうだ、お前たち。と言いたくもなる。
まあそれというのも、とりたてて変化の無い、平穏な日常生活に対しての不満から来る夜の冒険なのだが、過去への郷愁といい、そんなに平凡な日常が嫌なのかお前はとジャック・フィニィに問いつめたくもなる。
まあそんなつもりで書いているわけではないのもわかっているけれども。
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