- 著 歌野 晶午
- 販売元/出版社 祥伝社
- 発売日 2009-02-06
かつて祥伝社文庫から400円文庫として出版された二冊に二編の中編を追加して一冊にした本なので、過去の二冊を読んでさえいなければかなりお得感がある。
まあそのことを考えると400円文庫って損なんじゃないのかって思ったりもするのだが、その功罪はさておき、というか400円文庫でもまだ絶版になっておらず今でも在庫があるものもあるのにちょっと驚いた。山之口洋の『0番目の男』なんてまだ買うことができるのだ。
で、それはともかくとして歌野晶午って題名の付け方がうまいよなあとあらためて実感したのである。
表題作はまさにというか身も蓋もないくらいに題名の通りの展開で、そのまんまじゃないかって思うのだが、パロディ的な中身と照らし合わせてみれば、これはこの題名しかないよなあと思うし、「生存者、一名」はその題名が全てであって、同時にメインの謎そのものでもある。
「夏の雪、冬のサンバ」になると題名そのものが謎を解くための手がかりとなっているわけで、うーん、やっぱり凄いよなあと思ってしまった。
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