- 著 都筑道夫
- 販売元/出版社 フリースタイル
- 発売日 2009-02-20
この本が企画中だということを知ったのはおそらく2003年の事だったと思うのだけれども、さっぱり自信がない。
都筑道夫並みの記憶力があったら正確な日付を覚えていただろうけれども、やはり私はごく普通の人なのだ。
それにしても出るまでに長い時間がかかった。
こんなに待たされるのであったならばいっそのこと都筑道夫が解説している『ポケミス』を全て集めてしまった方が手っ取り早いのではないかとも考えたこともあったのだが、やはり一冊にまとまった本が読みたいのである。
しかし、この本の編集者のまえがきを読むと、これほどまでに時間がかかった理由もよくわかるし、むしろよくぞここまでの本を作り上げてくれたものだと編集者である小森収氏に感謝の念を送りたい。
当時の解説そのままなので、内容的に間違っていたりしてミステリーの資料的な価値は乏しいのだけれども、そういうものを求めるのであれば他の本を探せばいいわけで、そんなものは気にはならないし、『推理作家のできるまで』のサブテキストとしても役に立つ本に仕上がっている。
むしろ、ネットなど無い時代によくぞここまで調べ上げたものだと感心する上に、間違った情報や乏しい情報から、ここまでの的確に評価をすることが出来た都筑道夫の才人ぶりが素晴らしい。
これ以上欲を言ったら罰が当たりそうなのだけれども、しかし、ここまでの本が出来たのであれば、次は是非とも『読ホリディ』などをまとめて『推理作家のできたあと』を作って欲しいものである。
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