- 著 佐野 洋
- 販売元/出版社 小学館
- 発売日 2009-02-21
ミステリは好きなのだが、だからといって片っ端から読むわけでもないわけで、全く読まない作家もいる。
佐野洋もその一人なのだけれども、何故読まないのかといえば、やっぱり、これはという抜き出た作品が思い浮かばないせいなのだろう。
とりあえずSFミステリということで『透明受胎』や「金属音病事件」あたりは読んでおくべきだよなあとは思ってはいるものの読まずに来てしまっているんだよなあ。
もうひとついえば、その昔、都筑道夫と名探偵論争をやったことも影響しているのかも知れない。佐野洋の名探偵不要論よりも都筑道夫の名探偵必要論のほうが納得できたからだ。
で、まあそれはともかくとして、佐野洋の五十年にわたるミステリとの関わりの歴史の話はなかなか面白いのである。
長老といっても構わない立場というせいもあるのかもしれないけれども、いろいろと裏事情的な話がたまに登場して、ああなるほどと思わせられるのだ。
要所要所で登場する奥さんのメモというのがこれまた凄いというか役に立っていたというか、とりあえず簡単であっても、何でもメモに残しておくほうがいいのだなあと思わせられてしまった。
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