- 著 ジョン ブラックバーン
- 販売元/出版社 論創社
- 発売日 2009-03
今回もページ数が少なく、そして展開も早く、あっという間に読み終えることが出来る。このスピード感はいいよなあ。
しかし、ブラックバーンの小説なので冒頭の殺人事件からは予想もつかない方向へと振り回され続けるので要注意だ。
そもそも、殺された女性が東側の女スパイだったというところからして既になんだかおかしな方向へと向かっていくのだが、ブラックバーンのレギュラーキャラクターであるカーク将軍が休暇返上で捜査に乗り出してからは作者に何処へと向かっていくのか想像もつかない。これがマイケル・スレイドであれば超常現象が起こっているかのように見せつけながらも事件の真相は比較的まともであるのに対してブラックバーンの場合は超常現象が起こっているかのように見せつけながら本当に超常現象が起こっているのだから、まあ何でもありの世界だ。
で、今回の事件の真相はというと今までの作品と比べると若干おとなしめな感じなところがちょっと残念。しかし冒頭の展開からは想像も出来ない地点へと着地しているのは確かで、癖になるのだ。細々とでもいいから翻訳され続けてくれるといいなあと思うのであった。
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