- 著 一丸
- 販売元/出版社 小学館
- 発売日 2009-04-30
一丸の新作である。
ネットの情報を見ると、(1)と付いていたので連載が長続きしているんだなあと思っていたけれども、現物をみるとどこにも一巻という数字は載っていない。ひょっとして一丸の「一」を一巻の「一」と間違えて処理していたんじゃないのかと思ったりするのだが、笑い事じゃないよなあ。
まあ、しかしそれはともかく、今回は時代物だ。
時代劇で有名な遠山の金さんは史実では遊び人ではないのだが、この本では史実を元にしながらも実は遊び人だったというひねった設定になっている。ひねり方が360度なので結局、史実がどうのこうのと言わずに遊び人だったということでいいんじゃないのかとも思うのだが、あまりり気にしないで置こう。
遠山の金さんはメインキャラクターとして登場するけれども実のところこの本の主人公は遠山の金さんではない。部下の与力の一人が主人公なのだ。で、金さんは名奉行でもなく、本当にだたの遊び好きな奉行として描かれている。
金さんが仕事嫌いの遊び人なので事件が起こっても解決するのは部下の方なのだ。ようするに一丸は今回、ジョイス・ポーターの<ドーヴァー警部>シリーズを遠山の金さんでやってのけているのである。
無能な遊び人であっても表面上は名奉行として見られているため、犯人が勝手に誤解して自主したり、好き勝手に行動しているのに何となく事件が解決してしまったりとまさにドーヴァー警部そのもの。
ただ残念なのは、ドーヴァー警部をそのまま金さんに置き換えても、うーん。面白いんだけれども何かが物足りないんだよなあ、残念。
コメント