新・幻想と怪奇

新・幻想と怪奇 (ハヤカワ・ミステリ 1824)

  •  ローズマリー・ティンパリー他
  • 販売元/出版社 早川書房
  • 発売日 2009-05-08

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ハヤカワNV文庫の『幻想と怪奇』の続きのようなもので、まあわざわざ「新」と付けなくってもいいような気もするし、ポケミスではなくってハヤカワNV文庫で出せばよかったとも思う。
仁賀克雄によるアンソロジーなので良くも悪くもいつも通りのパターンなのだけれども、最初と最後にローズマリー・ティンパリーの短編を持ってきて「怪奇」と「幻想」としているあたりはちょっと凝っているよなあと思うのだけれども、「幻想」と「怪奇」ではなく「怪奇」と「幻想」になってしまっているところが残念だ。
既訳も多いけれども、個人的には未読が大半だったので特にそのあたりは不満もなく、ゼナ・ヘンダースンとか、シェクリィとかはともかくとして、アラン・ナースやリチャード・ウィルスンが入っているのはなかなか良かったし、なんといってもローズマリー・ティンパリーはちょっとこれはいいんじゃないかって作品で、仁賀克雄以外の人の手で翻訳されたらいいよなあと思ったりもした。
しかし、『残酷な童話』でこれからは「ボウモント」で行きたいなど言っていたわりには、チャールズ・ボーモントになったままなのはちょっと情けないよなあ。
自分で言ったことを忘れてしまったのか、それとも反対意見が多すぎたのか。

コメント

  1. 新・幻想と怪奇

    ローズマリー・ティンパリー他 仁賀克雄編・訳      早川書房
     17編の短編が収録されている。いずれもショートショートといってもいいような枚数。寝る前に1編づつ、つまみ読みするにはちょうど良い長さの作品が揃っている。寝る前といっても、恐くておしっこに行けないほどの恐い作品はないのでご安心を。ただ、痛い作品はある。
     で、ラインナップだが、ロバート・シェクリイ、チャールズ・ボーモント、フィリップ・ホセ・ファーマー、リチャード・マシスン、ゼナ・ヘンダースン、アラン・ナース、ウィリアム・テン、といっためんめん。古手のSF者のお歴歴にとってはニヤリとするラインナップだろう。「幻想と怪奇」なんだからホラーっぽい話が多そうだが、SFもけっこうある。シェクリイ、ナース、マシスンはSF色の濃い好短編。特にシェクリイはいかにもシェクリイらしいアイデアストーリーでご機嫌をうかがってくれる。
     未開の惑星に宇宙船が不時着。野生動物が乗員を襲う。ただの動物ではない。そして、動物から逃れるために乗員はどうしたか。
     もちろんSFばかりではない。ホラー、ファンタジー、スプラッター、怪談などいろいろ取り揃えてあって楽しい1冊。作者はいずれも短編の名手ばかりなので安心して読める。お勧めの短編集だ。

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