- 著 マイク ブラザートン
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 2009-05-30
- 著 マイク ブラザートン
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 2009-05-30
天文学者によるハードSFということで期待をしていたけれども、その期待はある意味、別方向へと裏切られた話だった。
もっとも裏切られたというのはハードSFとしての部分で、物語としてつまらなかったというわけではない。
ラリイ・ニーブンの『リングワールド』をコンパクトにした感じが近いか、もしくは物語をコンパクトにまとめることが出来るようになったアレステア・レナルズといったところか。
ハードSFらしさは確かに存在するけれども、後半になると冒険SFになってくる。そういう点では『リングワールド』的な話だ。
しかし、一番面白かったのはファーストコンタクト物としての側面で、まあとにかく驚いたというか身も蓋もないファーストコンタクトだ。
異星人の言語をある程度解析し、それなりに翻訳できる状態になっていながらも、話かけに使った言語がたまたま敵対する種族の言語だったので、いきなり血みどろのファーストコンタクトとなってしまうのだ。
いやあ、言われてみればその通りというかそういう可能性もあることに気がつかなかったので目から鱗が落ちる思いだった。
というわけで、むちゃくちゃ面白いというわけではないけれども、なかなか楽しませてくれた話だったよ。
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