経過報告28

10/2

熱は36.7度。平熱に近づいてきたが、今度は咳が出始める。
病院へ行くことも考えるが熱が下がり始めているし、薬も1日分ある。今日一日様子を見よう。
咳が出なければ会社へ行くことも考えたのだが、咳が出ている状況ではマスクをしていても他人に移してしまう可能性もあるので休みの連絡をする。
だからといって寝込んでいるわけにも行かない。食料を買い込まなければいけないし、高額療養費支払いの申請をしに役所に出かけなければいけない。
妻の病院に電話し、先月分の入院費を尋ねる。五万三百九十円。想像していたよりも高い。いや、自分の方が世間知らずだったのかもしれない。単純に今月分を計算してみると二十万近くなる計算だ。
やらなくてはいけないことをメモに書いて、ゴミ出しをしながら役所へ向かう。
総合受付で、どこで申請すればいいのかを聞き、長寿保険課へ。
高額療養費は一ヶ月単位なので先月分に関しては全額負担しなければならない。まあ金額からして対象外だから仕方がないけれども、姑息なことをいえば、今月から入院させれば負担額はもう少し減ったはずだ。しかし、そんな悠長なことは言っていられないからなあ。
手続きそのものはわりと簡単に終わり、高額療養費限度額適用認定証を発行してもらう。
その足で今度は私の生命保険の死亡時受取人の変更手続きへ。結婚した当初に変更しておけば良かったが面倒だったので、私の生命保険の死亡時受取人は父のままだったのだ。これを妻に変更する手続きを行う。これで私が死んでしまったとしても、妻にはいくらかのまとまった金額が手に入る事となる。
統合失調症に関する本は四冊買ったのだが、二冊は実家に、一冊は妻の義弟に渡してしまったので、手元には一冊しかない。続いて書店に寄り、何か良い本があるか調べてみる。
統合失調症に関してはどれも似たり寄ったりでこれという決め手に欠ける。その隣に「大人の発達障害」という本があるのを見つける。妻はアスペルガー症候群やAD/HDの可能性もあるのだ。この本を買うことにした。
続いて薬局とスーパーに寄り、栄養剤やらなにやらと今日明日の食料を買い込む。といっても出来合いのものだ。
そんなこんなでほっと一息をつくと三時近い。
六時頃まで寝る。
のそのそと起き出して、弁当を暖め、野菜サラダと一緒に食べる。食欲があるというほどでもないが、食べることが出来るのでまだ大丈夫かもしれない。しかし咳がひどい。
熱は36.9度。
食事中に母より電話。風邪の事を心配してくれて電話をかけてきたようだ。
母の、「もしなんだったら食事を持っていってあげようか」というごく普通の言葉がありがたい。
咳がこのまま続くようだったら明日は病院へ行こう。
今日買ってきた本を読みながら、やはり妻は発達障害なのかもしれないと思った。
だったとしたら、やっかいである。妄想は消えるかもしれないけれども、妻の生きつらさはおいそれと治るものではない。
認知行動療法に関する本をネット書店で購入する。
夜になって妻の実家からまた電話。
妻に処方されている薬はルボックス、ジプレキサ、そして胃薬と話したのだが、義弟に手渡した紙には胃薬は書かなかった。そのせいで、義弟は、ジプレキサを胃薬だと思いこんでしまったらしい。で、薬について調べると当たり前のことだがジプレキサは胃薬ではない。
その結果、主治医が私に嘘を言ったという結論になり、その病院は辞めた方がいいと考えを飛躍させる。
手渡した紙にはルボックスをルポックスと間違えて書いたくらいだから疑うのならば主治医ではなく私の方を疑うのが普通だと思うのだが、いくら混乱しているからといっても、ちょっと被害妄想すぎやしないか。
受け入れ先の病院はまだ調べていないらしいし、実家へ戻らせても入院させるつもりはなさそうな気もする。よくよく話を聞いていると薬だって漢方の薬を使いたがっている。
手がしびれていると訴えているけど、それは副作用が出ている証拠だなんていうけれども、副作用のない薬なんて無いだろう。そもそも、副作用や効果を見極めながら調整していかなければいけないのにだ。
アスペルガー症候群の可能性も考えてくださいと言うと、その件に関しては否定したがる。発達障害となると自分の育て方が悪かったと捉えてしまっているようだ。必ずしもそんなことはないのに、知識が無いということはやはり損なのだ。もっとも逆の立場だったらと考えれば確かに気持ちは分からないでもない。
そろそろ妻が退院した後の手を考えておかなければいけない。
妻が退院すれば、妻はしばらくの間は実家に帰るだろうし、実家の方でも戻らせるだろう。
妻はおそらく自発的に薬を飲まないだろう。仮に飲んだとしても義母と義弟は薬を飲まさせないだろう。
そうなったら妻の薬物療法は終わってしまう。
妻の実家の近くの病院で、訪問看護が出来ればいいのだが、それでも訪問看護も拒否されてしまったとしたら。
私は妻を助けてあげることが出来るのだろうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました