経過報告52

10/26

今朝は、会社に行く前に妻の自動車の保険の更新手続きをする。
保険会社の人が二人で来たので、担当者の交代なのかと思ったのだが、今の保険は書類では無く、パソコン上で行うようになったということでその人が来たらしい。
以前の人はパソコンを使えそうにもなさそうなので、まあ多分、今後はこの人が担当になるんだろうな。
パソコン上で全てが終わってしまうので印鑑を押す必要もなく、担当者が画面上を次々とクリックしていき、これが結構長い、最後にタブレットで署名をするだけで終わってしまった。
保険会社としてはこっちの方が良いのかも知れないが、最後の署名に何の意味があるのだろうか。どうせ画像データとして保存するだけなのだからコピーして悪用しようと思えばいくらでも悪用出来る。
単に、契約内容を確認しましたという意味だけであるのなら契約する側としては紙ベースでの署名と捺印の方が安心ができる。まあ、どちらも対して変わりがないといえばそうなのだが。
最後に医療保険に関して勧めてきたのだが、残念ながら妻は入ることは出来ないだろう。統合失調症を患っている場合、大抵は拒否される。
もちろんそんなことは相手には言わない。検討しますと曖昧に答えておく。
朝から雨が降っているせいか、気分は憂鬱だ。
昨日の妻のことがずっと頭にこびりついている。
共同生活が苦手で対人関係にも難がある妻にとって入院生活というのは不安で仕方がないのだ。
退院の目処が立ったというのにこのままで大丈夫なのかと不安になる。
暴れなければいいのだが。
しかし、退院すればもっとストレスにさらされる。
入院生活がなんだかんだいって温室だったことに気付くだろう。
ストレスを与えるのは禁物なのだが、それでもある程度のストレスは自分で解決する術を持ってもってもらわなければいけないのだ。
そして家族はそれを支えてあげる。
自分にはそれができるのだろうか。
支えるということがどういう風にしてあげることなのか、うまくイメージが湧かない。
私の次なる課題のひとつだ。
そういえば先週、実家の母より手紙が来ていた。
ここのところ毎日電話がかかってくるのだが、無視している。
何故無視しているのだろうか、自分でも理由はよくわからなかった。
しかし、母からの手紙を読んで、その理由がようやくわかった。
手紙では毎日心配していると書かれていた。
それが原因なのだ。引っ越ししてから二ヶ月間、こちらから連絡するまで何一つ連絡してこなかったのに今さら心配しているなどと言われても信じることなど出来やしない。
それ以上に、心配していると言われても、私はどうすればいいのかわからない。これだけがんばっていて、私はさらに、母の心配を取り除く努力までしなければいけないのだろうか。
何も手助けせずに、ただ単に心配しているなどという言葉をかけられても、私には重荷になるだけなのだ。
電話に出れば、その言葉を聞かされるだろう。だから私は電話に出たくなかったのだ。
振り返ってみると、私は運が良かったのだと思う。
妻の言動を否定し続けていた私が、病気であることに気が付いたのは、妻が、ネットを検索して、思考盗聴などと言いだしたからだった。
入院させる必要があると思うようになったのも、妻が最初の病院での二回目の診察の時に、二倍の量の薬を飲むことを拒否したからだ。
あのまま、あの病院で通院治療させていたとしても幻聴が無くなるまでは行かなかっただろう。
会社の社長が仕事のスケジュールを聞いてこなければ、私はシルバーウィークで病院がしばらく休みに入ることも気付かなかった。気付いたおかげで時間を無駄に過ごさずにすんだ。
そして仕事を休むことに対して理解をしてしてくれた。
入院させるきっかけも、私が自分自身のために行った精神科の病院のおかげだった。そこで、親切にも妻の症状に関してアドバイスを貰うことが出来たからであるし、入院を受け入れてくれそうな病院も教えて貰った。
そして、そこで処方してもらった精神安定剤は気が狂いそうな私を落ち着かせ、助けてくれた。
そして何よりも幸運だったのはネット検索という手段があったことだ。
自分一人では何も出来なかった。
おそろしく運が良かっただけなのだ。
この先どうなるのかわからない。
しかし、私を助けてくれた全ての人に感謝したい。

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