ロバート・A・ハインラインの『レッド・プラネット』と平安寿子の『こっちへお入り』と太田忠司の『予告探偵―西郷家の謎』と伊井直行の『本当の名前を捜しつづける彫刻の話』と川島誠の『ファイナル・ラップ』とメビウスの『アンカル』を読み終える。
勢いあまって、川島誠の『ファイナル・ラップ』まで読み終えてしまったのはちょっともったいなかったとも思うのだが、いたしかたない。
張間ミカの『楽園まで』と津原泰水の『琉璃玉の耳輪』を読み始める。今年中に読み終えることが出来ればいいけれども、ちょっと難しいかな。クリスピンの『愛は血を流して横たわる』は来年に持ち越し。
だんだんと漫画を読む量が減ってきている気がする。それでも面白い漫画はできるだけ読むことにしているけれども、全てを追いかけようとするときりがないので、ある程度のところで妥協してしまっているのだ。
諫山創の『進撃の巨人』が今年の『このマンガがすごい!』のオトコ編で一位となった。
たしかにインパクトのある漫画だったから、一位となってもおかしくはない。
もう少し絵がうまくなってくれればとも思うのだが、うまくなってしまうと、バランスの崩れた絵だからこそ伝わってくる異様な雰囲気も失われてしまうだろう。その点では、岡本一広の『トランスルーセント-彼女は半透明-』と同じともいえる。
面白いことは面白いのだけれども、先日出た三巻を読んで、やはり少年漫画であるという部分が物足りなくなってしまった。せっかく絶望的な設定を作り出し、ひたすら絶望的な情況を描き続けてきたのだから、異様な雰囲気の絵でもって、異様な世界を描き続けてくれたほうが自分の好みでもあるのだが、やっぱりそれだけじゃ少年漫画としては成り立たないんだよね。
こればかりは、無い物ねだりをしても仕方がない。
異様な雰囲気といえば、今年読んだ漫画の中で一番衝撃を受けたのは、まどの一哉の『洞窟ゲーム』だろう。
ギャグにしかなりようがない設定やシチュエーションを使いながらも、読み手を一切笑わせない異様な世界がそこにある。
楳図かずおが、恐怖と笑いが表裏一体であることを『まことちゃん』で証明したけれども、楳図かずおが「恐怖」の絵で「笑い」を描いたとすると、まどの一哉は「笑い」の絵で「恐怖」を描いたと言っても構わないかもしれない。
笑えるはずなのに笑うことが出来ない。そんな雰囲気の異様な漫画だった。
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