最初は、漫画、SF、ミステリ、それ以外のジャンルと順番に、今年印象に残った本について書くつもりだったのだが、漫画篇だけで今年の更新を終えてしまうこととなってしまった。なんとも締まらない形となってしまったがいたしかたない。
さて、漫画篇のベスト3はなんだろう。
まだ一巻しか出ていないが、白井弓子の『WOMBS』になるかもしれない。
人類が移民した惑星では第一次移民と第二次移民との間で激しい戦争が続いていた。
この惑星にはニーバスという生物がいて、この生物の雌は妊娠している間だけ空間転移をすることができる能力を持っていた。
そして第一次移民たちはは第二次移民に対抗するために、女性の子宮にニーバスの体組織を移植し転送能力を身につけさせた特殊部隊を組織する。ニーバスを移植した兵士たちは妊娠している間だけ転送能力を発揮し、そして戦う。
この先どのような展開をするかわからないが、オクテイヴィア・バトラーの「血をわけた子供」やグレッグ・イーガンの「適切な愛」に匹敵するような話になる可能性はじゅうぶんにある。
つい先日読んだばかりなので自分でもまだどのように受け止めればいいのか定まっていないのだが、榎本俊二の『斬り介とジョニー四百九十九人斬り』もインパクトがあった。あのメビウスでさえトリビュートしてくれた榎本俊二である。ストーリーは有って無い、盗賊にさらわれた娘の救出を頼まれた斬り介とジョニーの二人がただひたすら盗賊を四百九十九人斬り殺すだけなのだ。そして最初のコマから最後のコマまで一気に駆け抜ける。かっこよさと爽快感だけを斬ることで追求しているのである。
張間ミカの『楽園まで』を読み終わる。津原泰水の『琉璃玉の耳輪』は物語半ばといったところ。
積読の山に埋もれてしまい未読だった、堀江敏幸の『ゼラニウム』を掘り出したので読み始める。
今年は堀江敏幸と津原泰水の文章を読みながら、妻と一緒に年を越すこととなりそうだ。悪くはない年の越し方だと思う。
それではみなさん、良いお年を。
コメント
はじめまして☆彡
ご訪問ありがとうございます!
コンパクトに体系化された
書評に脱帽!
益々のご進展を応援します♡
素晴らしい年始を、お過ごしください。
[マンガ]WOMBS
女性が戦う話は「魔法少女まどか☆マギカ」など数多いですが、無理して女性に戦わせている気がします。ぶっちゃけ少女を少年に置き換えてもふつうに話が通じる。しかし、この作品ほど女性が戦う必然性のある作品はないでしょう。なにせ戦うのは妊婦なのです。厳密には妊婦で