今月は買いたいと思う新刊が少ないのをいいことに、藤本泉の『時を刻む潮』とヒラリー・ウォーの『生まれながらの犠牲者』を古書で買ってしまう。
江戸川乱歩賞受賞作を集中して読んだときがあったが、その時に藤本泉は抜け落ちていた。あらすじを読んで何となく好みにあわない感じがしたからだが、そのせいもあってハヤカワ文庫で出ていた藤本泉の他の作品も手をつけていなかった。
もっとも、当時の自分が無理して読んでも面白いと思えたかどうかは怪しい、といって今の自分が読んで面白さを理解できるかどうかはまた別問題でもあるが、読みたいという気持ちがある時に読むのが一番でもあるので、遅ればせながらこの機会に読んでみることにするつもりだ。
同様にヒラリー・ウォーもまだ一冊も読んでいない作家の一人。『キドリントンから消えた娘』を読んだあたりで、『失踪当時の服装は』ぐらいは読んでおけばよかったと思うのだが、当時はヒラリー・ウォーまで到達しなかった。
積読だったガイ・バートの『ソフィー』を読み終わる。続いてマリオ・バルガス・リョサの『世界終末戦争』を読み始める。二段組700ページというボリュームに圧倒されるが、読み始めて、多大な登場人物と密度の濃い内容にさらに圧倒される。
ここ最近、冒険小説が読みたい気分になってきているが、『世界終末戦争』を読み始めて、さらにその気持ちが高まった。船戸与一の南米三部作を連想させたせいもあるだろう。
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