なんだか読んでいて気恥ずかしかった。
この小説が青臭いとか恥ずかしい内容だとかそういった物だというわけでは決してない。
それはわたしも作者と同じ年代のころに同じような感覚を持ち合わせていたためだ。そして、作者が物語る、素直で、一途な思いが今のわたしには少しまぶしすぎたせいでもある。
作者はまだ十代。若いから書くことの出来た物語だと思う。それはとても貴重なものだ。
この物語は希望の物語である。絶望の中で、ひたすら希望を持ち続ける物語だ。
願いが叶わないことを知り得ながらも、希望を失わない物語である。
希望は見失いやすいが、それでも、見つけようとする気持ちがあるかぎり、希望は手の届くところにいつでも存在する。
そして希望がある限り、進むことの出来る道が自分の目の前に出来る。進むことのできる道がある限り、自分はまだがんばることができる。
わたしはこの歳になってようやく、希望という物がどういう物なのかということが判った気がする。
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