『海辺でロング・ディスタンス』の続編だった。
それにしても、表紙の絵といい、内容紹介といい、誤解を与えるような物ばかりで、表紙絵や内容紹介だけを見てこの本を読んだ人はさぞかし驚いたことだろう。
どちらかといえば著者紹介文に書かれている「生と性をモチーフに少年たちの世界を描く」の方がこの本の内容をより的確に表現している。
さらには続編であるのに前作に関してなにも記述されていないのも、何も知らずに読んだ人のがっかり度を高めるだけのような気がして残念だ。もっとも、前作を読まなくても大丈夫といえる面もあるので一概にはいえないのだが、この本は川島誠ファンだけをターゲットにしたのだろうか。
それに陸上競技の部分も一部しか登場しないのに『800』を引き合いに出されているのもねえ……そろそろ『800』の束縛から逃れさせた方がいいのではないかと思う。
これから読もうとする人は、『ファイナル・ラップ』は『800』とはまったくの別物なのだということを頭に入れて欲しいと思う。
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