1986年に講談社から『L’INCAL NOIR/謎の生命体アンカル』として第一巻が出て、そしてそれっきり音沙汰なしになってしまい、あきらめきっていたところでようやく出た。
デジタル彩色版が出ているのだからそちらの方を出してくれればいいのにと思うのだが、いたしかたない。読むことが出来ただけでも良しとしなければいけないのだろう。
メビウスの絵は300ページを越すボリュームも合わせて非情に読み甲斐があるのだが、さすがに1980年代に書かれたものだけあって、テーマ的な部分に関していえば古くさい。ストーリー展開まで期待して読むと少し拍子抜けしてしまうだろう。まあ、こればかりは仕方がないのだが、つくづく、1986年に一巻だけ翻訳されて止まってしまったことが悔やまれてしょうがない。
文句ばかり書いているようだが、メビウスの絵を見ることができるだけで買う価値は十分にある。これが引き金となって他の作品も翻訳されてくれればいいのだが、難しいだろうなあ。
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