シリアスな話かと思っていたので買ってからしばらく積読状態だったが、いざ読み始めてみると全然シリアスな話ではなかった。
そもそも、カレル・チャペックなのだから風刺的な話である可能性の方が高いはずなのに、なぜシリアスな話だと思いこんでしまっていたのかよくわからない。
それはともかくとして、物質に含まれているエネルギーを全て解放することに成功してみたら、物質の中に存在していた「絶対」というものまで解放してしまい、その「絶対」というものがいわゆる「神」だったというアイデアはなかなか面白い。
日本の神道では八百万の神々、つまりありとあらゆる場所に神様が存在しているという考えがあるのだから日本人作家によって書かれていてもおかしくない発想だ。と書いておきながらひょっとして同じようなアイデアで誰か既に書いていたかもしれないのでそのあたりはうやむやにしておこう。
しかし、「絶対」を解放してしまってからの展開は途中までは面白いのだが、後半になると風刺的な要素が大きくなり、わたしが期待する方向へとは向かわなかったのが少しがっかりなのだが、それは私の読み方が間違っているせいなのだから仕方がない。
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