ロマンスSFっぽい感じがしたけれども、解説で作者がハインラインが好きで、それっぽいガジェットとかが出てくるということで騙されてもいいかと買ってみた。
騙されてもいいという気構えだったので、それほど期待せずに読んでみたら期待より上回っていたのでまあ良かったかな。欲を言えばページ数的にこの三分の二ぐらいの分量だったらもっと良かった。
そもそも、青背で出すから過剰な期待をしてしまって、読んでがっかりして貶したくなってしまうわけなんだから、こういう本こそ青背ではなく白背でガンガン出してくれればいいのに早川書房は白背を出す気はもうないのだろうか。
ハインライン好きとしては小惑星エデンでのコミュニティのありかたとか要所要所で主人公達を助けるというか見守ってくれるドクターの存在とかニヤリとするが、ハインラインのジュブナイルに存在する、ハインライン流の説教臭さみたいなものは無いので、ハインラインの亜流というイメージはそれほど無い。むしろこれは単なるアメリカ版ライトノベルか。
こういう系統の話を読みたければ日本のラノベを読めばいいじゃないかという結論になってしまうことを思うと白背が無くなってしまったのも仕方がないか。
『闇の船』サラ・A・ホイト

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