『予告探偵 木塚家の謎』太田忠司

前作はわりと好きだったので続編も読んでみる気になったのだけれども、前作の場合はその一番の仕掛けの部分を除けばわりと普通のミステリでもあったので、謎を解く日時を予知することができるという不思議な能力を持った探偵を再び登場させて、前作並みに驚くことができるのだろうか不安だった。
で、今回は何やら連作短編ということで、その時点で前作並みの大仕掛けは期待できないことがわかったけれども、それぞれの話の題名を見るとどうも尋常ではない長い期間の話っぽい。
最初の話は年代が定かではないけれども、二話目は1953年、続いて2008年。それだけならまだしもその次は2135年だ。そして微妙にワトソン役も違っている。なのに探偵だけは同一人物だ。
まあ、ふざけているのか真面目にふざけているのか、それとも没ネタをこの際だから使い切ってしまおうと考えたのかは別として、探偵が探偵ならば犯人も犯人としか言いようもない話だった。
ある意味、あの設定で続編を書いてしまったということそのものが一番の驚きなのかも知れない。

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