積読本が増えてしまうので、あまり興味のある作家は増やさないようにしているのだけれど、漫画の場合は短時間で読むことが出来るので、ついつい買ってしまう。
で、また一人、興味が出た作家が増えてしまった。
巨大なコガネムシが仲間を助けてもらったお礼に恩返しをする話。
盲目の国王に拾われ、国王の庭師として働く事になった男と国王との主従関係の絆の話。
生きている以上、何時かは終わりを迎えなければいけないことに怯え続けた男の話、等々。
軽いファンタジーであったり、異国の物語であったり、老人が主人公だったり、日本の高校生の物語だったりとバラエティにとんでいる。
あまり少女漫画は読んでいないけれども、異国を舞台にするあたりはどことなく坂田靖子を彷彿させるような感じでもあり、明確な起承転結というよりも、主人公の人生の一瞬を切り取ってそこに主人公の考えかたをまんべんなく振りかけた感じの物語だ。表層レベルの物語は、なにげないありふれた物語なのだが、そこに主人公の考え、感じたことなどが注ぎ込まれると、物語が一変する。
風通しの良い適度な密度の絵も魅力的だ。
表紙をめくるとその裏側に、これまた丁寧に作品解説が描かれているのもうれしいサービスだね。
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