『銀の匙 1』荒川弘

完結したら一気に読んでしまおうと思っていた『鋼の錬金術師』は27巻にも及ぶ長編になってしまったのでなかなか読むというところまで踏ん切りがつかなくなってしまった。もちろん27冊程度ならば読むのはそれほど問題ではないけれども、読むということは自分の部屋に27冊の本が増えるということだ。
もちろん漫画喫茶とかで読んで済ますという方法もなきにしもあらずだが、基本的に僕はそういうことをしない。他人様はどうであれ、趣味らしい趣味といえば読書であるいじょう、その趣味にお金を掛けないというのはなんだか申し訳ない気持ちになるのだ。所詮、道楽なのだ。道楽にはお金を掛けるべきものではないだろうかと思っている。
まあそれはともかくとして、買ったとしても読み終えたら売ってしまえばいいのだが、いずれ読み返したくなることがわかりきっているので読み終えたら売ってしまうということもできにくい。そんな自分なのでどんどんと本が溜まっていってしまうのだ。
いやそれはさておき、荒川弘の『銀の匙』が出た。
ひょっとしたらこれもこれでもかというくらいに連載が続くかもしれないが、完結するまで待っていたら『鋼の錬金術師』と同じ撤を踏んでしまうかもしれない。本が増えてしまうのであれば一気に増えるよりも少しづつ増えた方がダメージが少ない。というわけで読むことにした。
しかし、なんだろう。前作とはうって変わって学園コメディ、しかも農業高校を舞台としている。前作とはがらりと変わってしまっているけれども、これがくやしいほど面白い。前作のような物語をちょっと期待して、それがまるっきり裏切られたのだけれども、読んで失敗したという気持ちにはさっぱりならない。
この安定感ってのはいったいどうしたんだろう、というかこんなに高レベルで大丈夫なんだろうかと心配したくもなるけれども、作者自身が農業高校出身ということだから多分、作者の引き出しの中にはまだまだ面白いものが詰まっているのだろう。

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