『死んだ女は歩かない 3 命短し行為せよ乙女』牧野修

とにかく、無事に最終巻を読むことができてよかった。
四つの章仕立てだけれども今回は物語全体の総まとめだけあってこれまで登場してそして生き延びたキャラクターが過不足無く登場しそして活躍する。
強い女性が主役というか、強い女性を描くことが目的でもあるので、申し訳程度に登場する男性の扱われかたは、大義に殉じるかっこよさはあるけれども、少し可哀想で、そして悲劇的な結末を迎える。
新しく登場するキャラクターの能力はインフレ気味で、どうやったら倒すことができるのかと思うくらいに強烈なのだが、そのインフレ気味の状態でありながら、主役達は初期設定の能力のまま立ち向かうところが格好いいし、それぞれのキャラクターの能力が要所要所でうまいことはまっていくのだ。
中ボスの段階ですでにそのような状態なのでラスボスではこれ以上の戦いを描く事なんてできないんじゃないかと心配にもなるのだが、そんな心配は杞憂に終わる。
ラスボスであるマダム・スカムの能力がこれまた異形すぎる能力で、それでいて絵になる能力なのだ。最後の戦いの場面は映像化して欲しくなるほど素晴らしい。
物語の骨格はきわめてオーソドックスな勧善懲悪の物語でありながら、新鮮で奇抜で、ここまで楽しめた物語は久しぶりのような気がする。

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