河出書房新社の『小松左京 日本・未来・文学、そしてSF』と比べるとソフトカバーで、ページ数もあり、CDの付録も付いているので値段は高い。
しかし、双方の紙面の中でさまざまなエピソードが語られていながらも、見事なぐらい内容が重複していないのは、二冊でもっても語り尽くすことができない小松左京の業績の大きさでもあり影響力の大きさなのだろう。なので両方とも買うしかないし、買って後悔することもない。
どの記事も興味深いものばかりだけれども、その中で特に興味深かったのは伊藤典夫へのインタビュー記事だった。海外SFに対する造形が深い伊藤典夫が、日本人SF作家に対して言及するのは珍しいし、初期の作品しか読んだことは無いといいながらも、伊藤典夫による小松左京の分析と評価は鋭い。
後はSF映像クリエイターによる小松左京の映画化作品の対談かな。なんといっても『さよならジュピター』に関する話はどれも興味深い。そのうち『さよならジュピターをつくったわけ』も読んでみることにしようかな。
付録は手塚治虫との対談CDで、これもなかなかうれしいおまけだ。ただ、残念なのはネットを探ると誤字や編集ミスがあったという点だね。
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