『Type:STEELY 上』片理誠

  • 著: 片理 誠
  • 販売元/出版社: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/11/29

Amazon/bk1

ナノテクノロジーを駆使して作られた戦争兵器が暴走しその結果、敵味方の区別無く人類に対して攻撃するようになってしまい、人類は滅亡の危機に瀕している。
残された人類は、暴走した機械兵器に対抗するためにバイオテクノロジーを駆使し、人工有機生命体を作り出すのだが、その有機生命体を動かす為には生きている人間の脳を移植しなければならなかった。
移植できる脳は誰でもかまわないというわけではなく、ごくわずかな適正を持った十代の人間のみで、主人公は適性検査の結果、合格してしまい、否が応でも脳を取り出され、この有機生命体に移植され、兵士として機械兵器と戦わなければいけなくなる。
兵器に人間の脳を移植するというアイデアはそれほど珍しいものではないが、この物語では元の体も生かされ続けており、元の体を遠隔操作で動かすことが出きるという設定が少し変わっている。
脳は兵器としての体にあるが、休暇中は元の体を遠隔操作して操ることができるのである。もっとも、遠隔操作なので全ての感覚にタイムラグがあるという設定だ。
上下巻のうちまだ上巻のみなので、これらの設定がどう生きていくのかはまだわからないし、人類と機械兵器との差は歴然としていて防戦のみという絶望的な設定は『屍竜戦記』にも通じる世界観で、下巻でどのように世界が変貌していくのか楽しみである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました