買ってからしばらく積みっぱなしにしてあったのだけれども、あまり長いこと積みっぱなしにしておくとそのまま読まずに済ましてしまいそうな気配がし始めたので意を決して読むことにした。
以前にハヤカワ文庫版の『鳥はいまどこを飛ぶか』を読んだときに、ニュー・ウェーブSFは苦手だったが、この本は予想外に面白かったなどとこのブログで書いておきながらも山野浩一傑作選と銘打つっているとなると、姿勢を正して読まなければなるまいという意識が持ち上がってしまい、なかなか心の準備ができなかったのだ。
ハヤカワ文庫版の収録作は、
「鳥はいまどこを飛ぶか」
「ヘイ・フレドリック」
「ロックで行こう」
「新宿第9レース」
「地下鉄紳士」
「城」
「R10987654321B1B2」
「渦巻」
「ピース・ホープ・ハイライト・セブンスター・いこいなど」
「受付の靴下」
「虹の彼女」
なので、今回の二冊の内容とはほとんど重なっていない。以前読んだときはトマス・M・ディッシュ的な雰囲気を感じとったのだが、今回読み始めてみると、作品が書かれた当時の時代的な雰囲気がそのまま残っていて、この不条理感はディッシュというよりもかんべむさしだなあと感じた。
もっともかんべむさしの方が後なので、かんべむさしが山野浩一の後継的な位置にいたという方が正しいのだが。
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