スチーム・パンクそのものにはそれほど思い入れがないので、ネット上でちらほらと見られる、こんなのスチーム・パンクじゃねえ、という声はそれほど気にはならなかった。
もっとも、K・W・ジーターや、ティム・パワーズ、ジェイムズ・P・ブレイロックの時のスチーム・パンクはハヤカワ文庫SFの青背ではなくハヤカワ文庫FTで、ファンタジー扱いだったのにたいして、今回のネオ・スチーム・パンクはハヤカワ文庫SFでSF扱いで、じゃあSFとしてどうよ、と考えてみると、青背よりも白背のほうが似合いそうな感じだ。
ただ、初代のスチーム・パンクに比べると格段に読みやすくなっている。他のネオ・スチーム・パンクもこんな感じで読みやすいのかどうなのかわからないけれども、登場するガジェットやキャラクター造詣や物語展開といい、軽いことは確かだ。これだけ軽かったらこの半分くらいの分量でもよかった気もする。
そんなわけで、それほどスチーム・パンクに思い入れが無かった分、楽しんで読むことは出来たのだが、じゃあこれがネオ・スチーム・パンクだから楽しんでよといわれると、うーん、たまにならいいかな、と答えるだろうね。
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