ここのところ何故か怖い話をよく読む。
といっても、背筋が凍りつくような怖い話ではなく、怖がらせるためだけの話というよりも怖い話を語る物語の面白さに比重がある話が多い。
H・R・ウェイクフィールドは以前に「ゴースト・ハント」を読んだだけだったけれども、かなり印象に残っている。
「ラジオをお聴きのみなさん、ゴースト・ハントの時間がやってまいりました」
という文章から始まる、幽霊屋敷を訪問するラジオ番組のリポーターの物語はそこで起こっている出来事そのものには新味はないけれども、徐々に狂気に駆られていくリポーターの視点でのみの語りが怖さを際立たせている。
しかし全18篇、単体でみればそれぞれ面白いし、怖さの根源が単なる幽霊というだけではなく、その他バラエティにとんだ恐怖の存在を描いているのだが、まとめて一気に読んでみると、似たような構成の話があったりして、特に主人公が死んだ後、検視官が死体を調べて関係者たちがあれこれ語るという展開が多いので、ちょっとばかり飽きてくる。
やはり、一気に読むよりも少しずつ読み進めるのがこういう話を楽しむ秘訣なのかもしれない。
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