『ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会』青柳碧人

  • 著: 青柳 碧人
  • 販売元/出版社: 早川書房
  • 発売日: 2012/6/22

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トマソンにはあまり興味はないのだが、薄い建物には少し興味がある。よむもまあこんなにも薄い建物を建てたものだと、感心すると同時にその薄さに笑いもこみ上げてくる。
そういう点では変な建物というのは嫌いではない。というかむしろ好きだ。
そういうわけで、この小説もさぞかし楽しませてくれるんじゃないかと期待をしたのだが……ちょっとばかり期待はずれだった。
というのも確かに変な建物は登場するのだが、そこに謎がからんでくるためにどうしても変であることに必然性が出てきてしまうのだ。
変であることに理由が付いてしまうとちょっと興ざめしてしまう。
やはり変なものは変なものとして理由など考えずにただそれを受け止めるだけの方がいいのかもしれない。
もっとも、その点を除けば、変な建物を主題にしたミステリで、しかも集団で謎を解く、この手の設定の場合、頭脳役が一人で他は情報収集に回るというパターンが多いのだが、そうではなく、全員が何らかの形で謎解きに関与しているという点が大学を舞台しにた青春物語としてもいい味をだしている。

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