『2』野﨑まど

  • 著: 野崎 まど
  • 販売元/出版社: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2012/8/25

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まず、分厚さに驚いた。これまでの倍以上の分厚さなのだ。
とびっきりのアイデアをコンパクトな形で小説にしていたのに対して、今回はそれが大きく異る。
ではとびっきりのアイデアを大量に投入しているのだろうか、それとも作風を大きく変化させたのだろうか、と思いつつも、今回はデビュー作に登場したあの人物がメインとなって登場する。それどころか、過去の作品に登場した人物が何らかの形で再登場している。
ひょっとしたらこの本は第一期、野﨑まどの総決算で、次作から第二期が始まるのかもしれないが、それはともかくとして、普遍的な人類の問題を創作という観点から答えてしまおうという野﨑まどの考え方というのに畏怖を感じる。多分それは、野﨑まどの小説がSFでもなくミステリでもなくホラーとしての部分に着地しようとしているという点による影響が大きいのだろうけれども、終盤における真相の解明のどんでん返しの連続を見せつけられると、その結論の部分に恐ろしさを感じるのだ。
ちょっとばかりきれいにまとめすぎてしまっているんじゃないかという気もしないでもないのだが、集大成として考えれば、これ以上の物語はないのかもしれないが、何しろ野﨑まどのことである。次作も集大成のような話を書いてしまうかもしれない。

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