増補版ということでついつい買ってしまったのはなんだかんだ言ってハミルトンのファンだからだ。
東京創元社で出た『キャプテン・フューチャー全集』も、全巻買って表紙の応募券を送ると鶴田謙二のポストカードが貰えるという理由もあったけれども、ハヤカワ文庫SF版で既読だった巻も東京創元社版で買って、しかも読み直したくらいなので一応ファンと言えるだろう。
もっとも、今回は記憶に新しいので、増補分と表題作の「フェッセンデンの宇宙」しか読まなかったのだが、増補分だけ読むと、ついついその他の短編も読み直したくなってくる。
今回は、「フェッセンデンの宇宙」が、初期版と改稿版の二種類が収録されている。元々は初期版のみだったのが、文庫化にあたって、改稿版も収録される形となった。読み比べてみると、なかなか双方の違いが面白く、エドモンド・ハミルトンに対する印象がちょっとばかり変わった。というのもかなりハミルトンの小説を読んでいながらも、ハミルトンというとキャプテン・フューチャーの人という印象が抜けきれず、同じキャプテン・フューチャーにしても長編と短編では随分と違う、もっともキャプテン・フューチャーの短編の方はハミルトンではなく奥さんのリイ・ブラケットが書いていたそうだが、作風の違いというのも理解していながらも、厭世観漂う話を読まされると、いつでも驚いてしまうのだ。
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