『怖すぎる永井豪』永井豪

  • 著: 永井 豪
  • 販売元/出版社: 徳間書店
  • 発売日: 2012/7/3

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その昔、アニメ版の『デビルマン』を見て、原作である漫画版がアニメ版とは違う結末であることを耳にして、漫画版の最終回だけを読んで、トラウマになってしまったことがある。今でこそある程度は平気なのだけれども、まだ子供だったころでは、上半身だけになってしまった主人公の姿というのは衝撃的だった。もっとも、最終回だけ見たからまだしも、その前の牧村家襲撃の話を見ていたらもっとショックを受けただろう。
それ以降、永井豪の漫画はショックを受けるために存在するものだという認識が生まれ、その認識は、筒井康隆が編んだ『’71日本SFベスト集成』に収録された「ススムちゃん大ショック」を読んでさらに強固になった。
で、今回はそういう衝撃的な作品ばかりを集めたアンソロジーだ。
さすがにこの歳になるとある程度は耐性がついているので『怖すぎる永井豪』なんていうあからさまな題名がつけられた本でも平気なのだが、実際に読んでみると確かに怖すぎるなあと実感させられた。
永井豪はいつでもオリジナルで勝負する漫画家だと思っていたのだが、かならずしもそうではなく、依頼によっては小説の漫画化も手がけていて、今回はロバート・ブロックの「野牛のさすらう国にて」とシェリダン・レ・ファニュの「シャルケン画伯」が収録されている。「野牛のさすらう国にて」の方はラストが原作と異なっていて、こちらもアレンジの仕方が面白い。
ファンにとってみれば定番中の定番のような収録作ばかりだろうけれども、永井豪の初心者としてはかなり楽しめる一冊だ。
で、多分もう一冊くらい同じテーマで作れるんじゃないだろうか。

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