五巻か六巻ぐらいまでいくだろうと思っていたら今回の四巻で完結となったのだ少し拍子抜けしてしまった。
原作の方は一冊目の『星を継ぐ者』しか読んでいないので、その後の展開が原作とどのくらい変わっているのかは分からないのだが、一巻から曖昧になっていた謎に関しては最後できっちり解明されてきれいに物語の幕は閉じられている。しかしだからといってそれが面白かったのかというと正直な話微妙なところで、謎解きと陰謀の部分がうまく噛み合わさっていない感じがした。
だぶん、もう少しじっくりと描いていたら、そういった齟齬が解消されていたのではないかとも思うのだが、それとは別に僕自身が、陰謀の部分の話に興味がなかったせいも多分にある。
月で発見された五万年前に死んだ人間の遺体という魅力的な謎に対して、星野之宣がさらに独自の視点と魅力的な切り口を持って描いた物語というのはすごくわくわくする物語だったのだけれども、それはあくまで謎解きという一点においてであって、そこに陰謀めいた話が入り込んでしまったのは原作がそうだったとはいえ、読んでいてがっかりしてしまったのだ。
やはりもう一巻くらいかけてじっくりと完結させてほしかったという気持ちがして仕方がない。
コメント