『空の都の神々は』を読んだ時、あまり好きではない話だった、という感想を書いたのだが、続編がでて、ついつい買ってしまった。
前作がどんな内容だったのかすっかり忘れてしまっていて、解説を読む限りでは前作の10年後の話ではあるが、前作を読んでおく必要もなく単独で楽しめると書いてあったけれども、読み始めてみると、後半になるにつれてやはり前作のおさらいをしておいたほうが楽しめただろうと思った。
今回の語り手は盲目ということで、もっとも魔法を使うことができて、その魔法を通して限定的なかたちで世界を見ることができるのだが、視覚を除いた形でファンタジーの世界が語られるのは少しユニークでもある。
前作のラストで人間の身に堕とされた神の側の視点の物語でもあるのだが、子神殺しという派手になりそうな事件が起こる割には、前作と同様、それほど派手な展開はしない。結局、なんだかんだいって、作者の描く世界の雰囲気に、なんかこの雰囲気は悪くないよなあと思わされつつ最後まで読んでしまったという感じだ。
だから多分、三部作の最後となる次の本が出ても、買ってしまうのだろうなあ。
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