『メロディ・フェア』宮下奈都

  • 著: 宮下 奈都
  • 販売元/出版社: ポプラ社
  • 発売日: 2013/4/3

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続いてもう一冊、宮下奈都の本だ。
メロディ・フェアってどこかで聞いた言葉だなと思いつつ読んでいったら思い出した。ビージーズの曲であり映画『小さな恋のメロディ』の主題歌として有名になった曲だ。ああ、それにしても『小さな恋のメロディ』って実にうまい題名だよなあ。
男である僕は化粧というものをしたことがないので、化粧をするという行為を完全に理解することはできないだろう。
しかし、化粧をするという行為そのものも人によって目的が微妙にことなっているわけで、多分、僕が理解できない範囲というのは誤差の範囲にかろうじて収まるレベルで、要するにこの本を読んで化粧をしたことも将来的にする予定も気持ちもない人間でありながらも、化粧をするという行為の一端は理解することができたということだ。
自分を表現する一つの手段として捉えれば、それは充分に理解の範疇に収まる事ができるし、化粧という手段を持つことができるということは自分を表現する手段が、化粧をしない人よりも1つだけ多いという点で羨ましくもある。
ただ、そんな化粧のエピソードの合間に挟まれる世界征服の話が、主人公の母親までも少しだけ巻き込んでせっかく面白くなりそうな話でありながら、それだけに終わってしまっているのが少しだけ残念だ。
もっとも、それだけ主人公だけでなくそれ以外の登場人物が魅力的に描かれているというせいでもある。

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