『式の前日』に収録されていた「夢見るかかし」を読んだ時、この人には日本だけではなく、外国を舞台とした作品も描いてほしいなあと思った。なんでなのかといえば、どことなく吉田秋生っぽい雰囲気があってそんな雰囲気の絵が見たかったからだ。
で、そしたら、次作は外国が舞台のしかも長編漫画だったので驚いたと同時にうれしくなった。
しかし、僕はフィンセント・ファン・ゴッホに兄弟がいたということも知らなかったどころか、フィンセント・ファン・ゴッホ自身のこともろくに知らない。知っているのは彼の作品の一部と彼の晩年のことだけだ。
もちろん、この漫画の主人公はフィンセント・ファン・ゴッホではなく、彼の弟なので、知らなくっても大丈夫なのだが、それでも、途中から登場する若いころのフィンセント・ファン・ゴッホの描かれ方は、僕の知っているフィンセント・ファン・ゴッホとはかけ離れていて、そして同時に新鮮だった。
そういう意味では、お勉強漫画というわけではないけれども、僕の知らない世界を見せてくれる漫画の一つになりそうであり、同時に、そこからどんな世界を見せてくれるのか楽しみでもある。
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