『しろいくも』岩岡ヒサエ

  • 著: 岩岡 ヒサエ
  • 販売元/出版社: 小学館
  • 発売日: 2004/11/30

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結果的にデビュー作を一番最後に読むことになってしまった。
デビュー作だから、今の作品とくらべてしまうとだいぶがっかりしてしまうかもしれないなという気持ちも働いたのでなかなか読まずに来てしまったのだが、実際に読んでみると杞憂だった。
というか、この本に収録された作品の大半が同人誌に発表された作品ということに驚いた。
もっとも、同人出版されたものが後に商業出版されるということは必ずしも珍しいことではないのだが、この本の場合は短篇集で、商業誌に発表された作品が集まるのを待ってから出ても構わないのだ。
それだけ岩岡ヒサエにたいする期待が大きかったのかもしれない。
個々の作品に関しては、今とそれほど大きくは変わってはいないのだが、今の作品と比べて登場人物の頭身が大きいのが少し新鮮だった。その他に、同人誌に描いたものだけあって、表現がとんがっているというか実験的な感じのする表現が多用されている。
たまには、こんな岩岡ヒサエの作品も読んでみたいという気持ちにさせる本だった。

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