『職場、好きですか?』眉村卓

著:　眉村卓
販売元／出版社:　双葉社
発売日:　2013/8/8

『駅と、その町』、『駅にいた蛸』に続いて出たのはショートショート集だった。
眉村卓のショートショートを読むのは久しぶりだ。
ショートショートというと星新一が有名というか、真っ先に頭に思い浮かぶのは星新一しかなく、さらにいえば、星新一が1000編を超えるショートショートを書いたという偉業もあってのことだが、しかし、単純に数だけいえば眉村卓のほうが星新一よりも多い。星新一がショートショートの神様と言われるのに対して、それ以上のショートショートを書いた眉村卓がなにも言われないのはいったいどういうことなんだとも思うのだが、作風の違いのせいかもしれない。しかし、眉村卓が日本で二番めの長編SF作家でもあることを考えると、もう少し評価が高くてもいいのではと思うが、こうして作品が出版されていることがその評価の結果なのかもしれない。
ショートショートということで、星新一のショートショートのような切れ味のあるオチを期待すると物足りない部分もあるのだが、逆に言えば星新一では絶対に書けないタイプのショートショートということでもある。
ちなみに、佐野洋は1000編を超す短編を書いた。1000編というと凄い数字なのだが意外とそんな数字を越してしまう作家がいるものだと思った。